2012年6月1日金曜日

リベラリスト - LIBERALIST -



◆菅首相は消費税を増税しても、税の使い道を誤らなければ、経済を成長させることができると主張している。どの政党が政権を獲得しようが、この「税の使い道」を誤らない保証はあるのだろうか?

◆景気対策として講じられる財政政策・金融政策の違いは、短絡的に表現すると、政府支出によって需要を生み出し景気を刺激するか、金融緩和を通じて銀行等金融機関による投資を喚起し、景気刺激策とするかである。

◆2000年代に金融政策の中心となった「量的緩和政策」は、統計上は戦後最長の経済成長を実現したが、国民が好況を実感するには至らなかった。金融機関は資金をベンチャー企業への投資等、経済成長のための投資ではなく、国債等を購入することで政府に投資した。投資によって利益が利益を生む資本主義 の機能は、何故か非営利組織であるはずの政府に託された。

◆そして、現在、政府は財政政策に軸足を移している。政府支出はGDPの一部であるため、政府支出が増えれば、統計数字上のGDPは増えるだろう。しかし、撤回された「アニメの殿堂」や事業仕分けで明らかになる税金の無駄遣いは、財政政策、すなわち「税の使い道」への信頼性を失わせている。

◆現在の不況は、マクロ経済的には総供給が総需要を上回る、いわゆる「デフレ・ギャップ」が原因ではないかとの議論が盛んだ。下の図の需要,離薀ぅ鵑閥ゝ襪離薀ぅ鵑慮鯏世任△譴弌高い価格で多く消費されるが、需要△里茲Δ房要が減少すると、価格は低く、消費も少なくなる。

◆このデフレ・ギャップの議論に立つと、理論上は、日本には十分な供給能力がある、にもかかわらず、需要が少ないためにモノが売れない、ということになる。そこで、需要を押し上げ、「デフレ」からの脱却が必要と盛んに宣伝されている。しかし、本当に供給能力が高いのだろうか?そんなに欲しい物が実感として世間に溢れているだろうか?

【需要が低いとは限らない】

◆一般生活に限って言えば、ユニクロで服を買い、家具はニトリで、文具等は無印良品で、食材はスーパーのプライベートブランド(イオンのトップバリュー等)で事足りる。自動車も家電も短期間で故障しないため、次から次へと新しいモノを買う必要もない。

◆日本の労働者の最大の需要(ニーズ)は、モノではなく、まず休� ��ではないか。はっきりいって、そんなにガンガン仕事をしたくはない。少なくとも筆者も筆者の知人の多くも休みたい。休みを取って家族と共に過ごす、あるいは趣味に打ち込みたい人は多いはずだ。


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◆ところが、「休暇」というジャンルでは、需要を満たす供給能力が驚くほど低い。それどころかサービス残業が平然とまかり通っている。下図の赤の点線くらい休暇が供給されればありがたいが、実際には赤の実線程度だ。

◆有給休暇は権利だから行使すれば取得できる。しかし、集団内の調和が重視される日本社会では一人が突出して休むことは心理的に難しい。しかも、リストラや人件費抑制等で、慢性的に人手不足となっている。一人の従業員に課せられる仕事量が増えている。

◆なぜ、休暇が取得できないのか?その最大の理由は、企業が従業員の有給休暇完全取得を前提とせずに、人員を配置し、仕事を課していることだ。

◆これは逆にいえば、企業に従業員の有給休暇完全取得を前提として人員を配置させれば解決する問題だ。そのためには、雇用を増やす必要があるかもしれない。人件費がかかり、生産コストは上がる。そして市場価格を押し上げるだろう。「デフレ」から脱却できるではないか。

◆これを1つの� ��社だけでやれば、ライバルの会社に負けてしまう。日本中の会社が一斉にやる必要がある。答えは簡単だ。やらせればよいのだ。

◆そもそも現在の企業間の競争や業績は、サービス残業や有給休暇の未取得を前提とし、かつ人件費をカットするなど、従業員の犠牲によって成立している。競争の基本たるルールが狂い、日本中の企業が強力なドーピングを競い合っている状態だ。これがまかり通る現状は、市場の競争ルールを監視する政府の怠慢でもある。ただちに是正すべきだ。

◆長期休暇が取得できれば、例え近場でも小旅行に行く可能性もある。政府は「観光」を成長産業の一つにしたいようだが、海外から観光客を招く前に、自国民に日本を満喫させてもらいたい。有給休暇未取得率の高い企業には企業業績の黒字赤字 を問わず、何らかの課税措置を講じるなど、国民の需要に政府は応えるべきではないか。

◆また、有給休暇の取得等は、ストレスの発散、心身の安定を得られる。短期的にはうつ病患者の増加を防止し、長期的には労働者の健康を良好に保つことで、病院での診療や入院等、将来の社会保障支出を抑えられる可能性もある。欧米諸各国で国民のスポーツ振興が盛んな理由は、国民の健康を保つことで社会保障支出を抑える狙いもある。

【「願望」を「需要」に変えねばならない】

◆「需要」ではないが、「願望」として持っている潜在需要を掘り起こすことも重要だ。


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◆個人消費として最大級の買い物は「住宅」だ。その住宅についても、景気悪化により需要も下がっているように見える。しかし、折角の人生、自分の家を建てたいという人は数多くいるだろう。問題はその願望が「需要」にならず「叶わぬ夢」に終わっていることだ。それは何故か?家も土地も高いからだ。

◆下図の右の図の赤の実線と点線を比較してほしい。住宅の価格は同じでも、住宅の快適性は実線の方が低い。この実線が日本の現実の供給能力だ。住宅の快適性が同じならば、価格が高くなる。問題は快適な住環境を低価格で提供できないことだ。東京のベイエリアに光り輝く高層マンションなど誰が買うのか。普通のサラリーマンには� �可能な物件だ。

◆問題は東京への過度な一極集中だ。そして、東京から離れられない産業構造に問題がある。どうしても東京で暮らしたい人はやむを得ないが、実際は仕事の関係から東京を離れられない、離れるとしても、それは転勤という企業命令による人が数多い。東京から離れられないために、長時間、大混雑の通勤ラッシュを我慢しなければならない。

◆国民が東京から解き放たれるには、雇用形態を変える必要がある。

◆総合職と一般職など、男女差別の温床のような職種区分などは意味がない。転勤を許容する職員には高い給与を支払い、許容しない職員の給与を低く抑える。その上で、そもそも転勤などが頻繁に起こらないビジネスモデルを確立すべきだ。転勤等の配置移動は企業にとっても多大なコストを必要� �する。

◆東京に拠点を置かない企業を優遇することも有用な手段だろう。それによって、地域に雇用を生み出すことも必要だ。企業が東京から出ていかないなら、政府が東京を出ていくことも手段として考えられる。遷都を行い、霞が関を売り払えば、国債の一部を償還できるだろう。

◆日本を47都道府県ではなく、8〜10の州で構成する連邦国家とし、魅力ある州都を建設するなど、地方に魅力ある中規模都市が広がれば、低価格で住宅を手に入れることができるのではないか。

◆これを実現するためには国土開発がやはり必要だ。地方における道路建設等の公共事業への批判は根強いが、快適で雇用がある地方都市を創り出さねば、国民は、物価が高く、長時間の通勤時間を要する東京のライフスタイルから逃れることが� ��きない。


最大の痛みストック

◆一方で過疎の解決はもはや不可能だ。過疎地は近い将来ゴーストタウンになるともいわれる。高齢者の方に住み慣れた家を離れていただくのは忍びないが、質の高い高齢者の居住施設を地方の中規模都市に設け、そこへ医療、介護関連の労働者を配置し、過疎地を減らすとともに都市への過密を緩和する政策が必要だ。

◆また、住宅政策の拡充は、住宅ローン産業を活性化させ、銀行等の金融機関に大きなビジネスチャンスを与える。資本市場の発達で、一般企業は社債の発行など資金調達手段を多様化させている。そのため、銀行における個人向け投資の重要性は以前に比べ増している。しかし、低価格で快適な住宅を提供できる環境がないために、住宅ローンを 組む顧客が少ない。

◆銀行が、低リスクで確実なリターンが見込める国債への投資に傾く背景には、国内に有望な投資先がないからだ。住宅ローンの活性化は、その問題の一つの解決策ともなり得る。

【ムダな供給より需要に見合った価格下落の方が大事だ】

◆自動車や耐久消費財の需要も下図の左側のグラフのように下がった。エコカー減税やエコポイントで底上げを図っているが、この政策が永遠に続くわけでもない。むしろ、右側のグラフにあるように、本当の需要はムダな機能を除いた低価格でシンプルな自動車や家電にあるのではないか。そういった真の需要にこたえる商品が供給されていない。

◆日本の家電製品は世界最高品質だ。多種多様な機能が搭載され、至れり尽くせりだが、そのための膨大な説明書を熟読し、全てを使いこなす消費者はどの程度存在するのか。自動車にしても間違いなく交通違反となる時速180kmを出せるエンジンが必要だろうか。駐車場代や燃費を考えれば、コンパクトな軽自動車やハイブリッドカーに人気が集まることは当然だ。

【問題は供給力では?】

◆マクロ経済の問題とミクロ経済の問題を混ぜて記載することは正当ではないかもしれないが、需要はある、と考える。需要が不足しているのではなく、本当の需要にこたえる供給不足が問題だ。

◆その最大の例がipodであり、iphoneであり、ipadだ。これらの商品には需要があったのだが、日本企業は� �いつかなかった。かつての日本はカップラーメンやウォークマンといった、誰も思いつかなかった、しかし、眠っていた莫大な需要を呼び覚ました。


◆現在の日本企業は、こうした潜在需要に応える供給能力が不足している。日本の競争力低下は当然の帰結だと考える。そして、競争力を強化する手立ては企業努力以外にない。戦後の高度成長も政府の実績というよりは、日本企業が優秀だったと見るべきだ。

◆現在の日本の閉塞感は、仝柩僂簣係緝坩造人々の節約・貯蓄志向を高めていること、⇒澆靴ぞι覆筌機璽咼垢ないこと、の2点にある。

◆単純にデフレ・ギャップがあるからといって、金融緩和で銀行に資金を注入する、あるいは財政政策によって公共事業を拡大しても、それらに投ぜられた資金は消費に回らず、再び貯蓄に向かう可能性が高い。いわゆる乗数効果は乏しい。消費者の実感を無視した、学者肌の経済政策 が本当に機能するのか筆者は疑問を感じる。

◆従って、政府への期待は、雇用・老後不安等の払しょくと将来の経済成長に備えた国家の基盤整備にとどめるべきだ。それは社会保障政策の拡充であり、公共事業等の国土開発であり、あるいは教育だろう。また、市場での競争の結果生じる格差を所得再分配によって是正し、国民の階層分断を避けることだろう。

◆ケインズの言うように「長期的には皆死んでいる」ことになっては困るが、社会不安の消えないままに一時的な景気刺激策を実施しても、経済の自律的回復を促す効能は低い。まして、実際の売り買いの現場から遠く離れた政府や日銀に、潜在需要を見抜き、革新的な商品やサービスを生み出すことは不可能だ。これは、まさしく「神の見えざる手」の領域だ。

� ��政府は基本的に経済合理性にそぐわない分野に資金を投ずるべきだ。日本のような成熟した資本主義社会では、経済合理性にかなう分野には必ず民間企業が存在する。政府支出の是非は景気対策としての有効性ではなく、公益の拡大に資するか否か、そして無意味なコストがかかっていないか、で判断されていくべきと考える。

※その意味でも、社会福祉政策である「子ども手当」の乗数効果が論じられた国会審議は、政府も議会も景気浮揚効果でしか政策の是非を判断しない現状を露骨に示している。



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