ただ庭に生えているだけでは、庭木・植木とは言えません。庭木・植木は、見る人に季節を感じさせたり、癒しを与えてくれたりするもの。にもかかわらず、放っておいたために枝が無造作に伸びる、虫が付くなどしてすぐに枯れてしまっては、庭の美観を損ねてしまい、季節や癒しどころではなくなってしまいます。
庭木・植木ともに美しい状態を保つには、季節ごとにしっかりした管理が必要です。また、土壌や地形などにもより、月ごとに微妙な調整が必要になってきます。以下では、庭木・植木を年中美しい状態に保つための管理作業を月ごとにご紹介しています。
- もっとも重要な寒肥を行います。
これは、根の活動がもっとも低下している時期に、土の中で時間をかけて分解して栄養になる有機質肥料を与える方法で、根にダメージを与えることなく、最適な肥料をタイムリーに与えられます。
遅くとも、根の活動が活発になる2月上旬までに済ませましょう。
多くの場合、牛糞堆肥、鶏糞、骨粉などを与えます。
また、マツやカエデなどは害虫対策(越冬中のダニ・カイガラムシ・スス葉枯れ病・サビ病駆除)として、希釈した石灰硫黄合剤などを散布します。
春になり暖かくなると、樹木とともに病害虫も活発になってきます。
葉が出てきて見つけにくくなる前に、徹底対策をしましょう。
また、冬は庭木・植木の準備期間。
植え替えや剪定にも良い時期です。
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- 1月下旬から2月半ばにかけての時期は、花木を植え替える好期です。
植え替えは、根を切ってしまう恐れがあるため、木の活動期を避け、休眠期に行うのがもっとも安全です。2月に入ると開花や開葉に向けた根の活動が始まるため、その前に植え替えを行い、花付きを損なうことなく春を迎えましょう。
ただし、2月は1年でもっとも寒い時期なので、植え替えにはそれなりの注意が必要です。
- 太い枝の剪定は、樹液の動き始める前のこの時期が適期。表皮が剥がれにくく、回復が早いからです。
幹に接した位置で切り、切り口を消毒しましょう。
- 大きな庭木・植木は植木屋さんに植えてもらったほうが無難ですが、苗木や低木などは自分で好みの場所に植えて庭造りの醍醐味を味わうのも良いでしょう。
居間に座って、あるいは門から玄関を眺めて「この辺にこんな木が欲しいな」と感じた場所に植えていくのが、自分らしい庭造りのポイントです。
- 芽出し肥えは、わずかに芽が動き出すこの時期に与えるのがもっとも効果的。
特に肥料を必要とするボタン・バラ・サツキ・クチナシなどは良い花芽を付けさせるために、この芽出し肥えを忘れずに。花の終わったものにはお礼肥えに即効性肥料の薄い液肥を与えましょう。
梅雨に入り、蒸し暑い日が続くと病虫害が発生しやすくなります。
晴れ間を見て、庭樹の整枝剪定を心がけてください。
日あたり、風通しが悪いとどうしても病虫害、特に病害が発生しやすくなります。
なお、挿し木には良い時期です。
- ツツジ類は花が落ちた後に花殻が汚く残るため、花後は早く整枝剪定や刈り込みを行いましょう(来年の花芽は初夏に形成されます)。
樹形を維持するためには、少々強く剪定しても大丈夫です。
なお、整枝剪定、生垣などの刈り込みが終わった枝は、挿し木に使うことができます。 - アオキ、ヤツデ、ナンテン、カクレミノなどは幹から不定芽(※ )を出す性質がありますので、この時期に葉の付いている節のところで切れば、新芽を吹いて仕立て直しができます。
大きくなりすぎた枝を元から切るか、あるいは切り戻して高さを調節します。
地際から伸ばして形を整えるのも良い方法です。 - ※ どこから出るかわからない芽のこと。
この時期は、庭木・植木の落葉もほとんど終わり、寂しく感じます。
この時期に幹枝を観察すると、害虫の卵があちこちに産卵されているのが見つかります。
来春になると一斉に孵化して大変なことになるので、今のうちに駆除しましょう。
- 直径1~2mmの球形をした卵を多数帯状に産卵するオビカレハ、産卵後、黄褐色の短い毛を山盛りに多数積み上げるマイマイガ、ウズラの卵を長さ1cmほどに小さくしたようなイラガのさなぎなどがよく目につきます。
剪定バサミや鎌などで擦り、卵などを潰してください。また、落葉を株元や庭隅に積んでおくと、害虫や病原菌の越冬場所になります。
焼却処分に出すか、庭を掘り土中深く埋め込んでください。
処理に困るほどの量がある場合は、植木屋さんに頼んでも良いかもしれません。
上記の作業のほかにも、剪定や施肥を定期的に行わなくてはなりません。
専門的な知識が必要になる剪定や毎月の管理をすべて植木屋さんにまかせるというのもひとつの手段です。
お庭をきれいに保つために、最善の方法を考えましょう。
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